むかわ町議会定例会は16日開会し、3月の町長選で3選を果たした竹中喜之町長が、3期目の町政運営の方向性を明らかにする施政方針を述べた。竹中町長は「胆振東部地震の経験を生かし、高い危機意識を持って時代の変化に的確に対応できる持続可能なまちづくりに努めていく」と意気込みを語った。
竹中町長は新型コロナウイルス感染症対策を最優先に、「防災を起点にした防災対策先導のまちとして、いざという時の備えを固める『事前復興』と未来に向けた『創造的復興・創生』を両輪としたまちづくりを推進する」と説明。さらにデジタル技術を活用した行政サービス向上の推進、脱炭素社会の実現、SDGs(持続可能な開発目標)と連携したまちづくりなどにも対応していく姿勢を示した。
主な政策では、ポストコロナを見据え、子育て世帯の生活支援給付金や農漁業者への物価高騰緊急支援事業を行うほか、新しい生活様式に合わせたキャッシュレス決済の導入を促進。「むかわ町子育て応援基金」(仮称)、「子育て世代の住宅支援制度」を創設し、子育て世代の支援を手厚くしていく。
震災の復旧・復興では、被災した森林の再生や治山事業を加速化。道内の自治体に先駆けて「事前復興計画」の策定にも着手し、テレビ向け情報配信プラットフォームの構築など町内の情報伝達体制を強化していく。また、再生可能エネルギーの導入目標達成に向けて「むかわ町脱炭素社会推進基金」(仮称)の設置と「むかわ町地球温暖化対策実行計画」を策定し、温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す取り組みにも乗り出す考えだ。
震災からの復興や感染症対策など課題は山積。竹中町長は「今なすべきことを町民の皆さんと共有し、災害により強い『これからもこの町で暮らしていきたい』と感じていただけるよう、『人とつながる、笑顔でつながる、未来につながるまち むかわ』の実現に向け、誠心誠意取り組んでいく」と言葉に力を込めた。