田植えシーズン到来 胆振東部 遠浅小、厚真中央小 泥だらけで作業

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  • 2022年5月27日

 米どころの胆振東部は田植えシーズン。安平町、厚真町の小学校では児童が郷土の産業に理解を深められるよう、地元の農家の協力を得て田植え体験を行った。子どもらは夢中になって作業し、実りの秋を楽しみにしていた。

 安平町の遠浅小学校(奥本政一校長)は25日、同町早来新栄の農家、阿部修一さん(62)が所有する田んぼで全校児童の田植え体験を行った。同校は来年3月末で閉校になるため、全校での田植えはこれが最後。38人が出来秋を願い、約5アールの田んぼにもち米の苗を手植えした。

 地元の基幹産業に理解を深めるとともに、地域住民と触れ合い、働くことの大切さを学ぶ恒例行事。新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年、一昨年と中止となっていたため、3年ぶりとなった。

 児童たちは青空の下、はだしになって田んぼに入り、泥だらけになって作業に励んだ。6年生の金元さくらさん(12)は「久しぶりだったので転びそうになったが、腰を下ろして植える作業は覚えていた」と振り返り、「今までで一番実ってほしいし、たくさんお餅を食べたい」と話した。

 約30年にわたって同校に田んぼを提供してきた阿部さんは、「最後にみんなで田植えができてよかった」と胸をなでおろしていた。

 厚真中央小学校(河毛幸至校長)は26日、町内富里の佐藤泰夫さん(66)が所有する田んぼを借り、田植え体験を行った。5年生約20人が手植えに挑戦した。

 ふるさと教育の一環で、児童たちは用意された1・5アールほどの田んぼに入り、「ななつぼし」の苗を手植えした。ぬかるみに足を取られて転び、泥だらけになりながらも、一本一本丁寧に植えていった。

 福田康政君(10)は「思っていたよりも足元がぐしょぐしょしていて、きれいな列にして植えるのは難しかったけど、楽しかった。大きく、風にも強い立派な稲に育ってほしい」と秋の豊作に期待を寄せた。佐藤さんは「米作りもそうだが、こんなに泥だらけになるのは最初で最後なのでは。貴重な体験として心に刻んでほしい」と呼び掛けていた。

 苗は順調に生育すれば、9月中旬~下旬に収穫を予定している。

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