コンパクトな市街地目指す 第2次都市マス全体構想の素案まとまる 中心と周辺をネットワークで 白老

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2021年11月24日

 白老町は、2022年度からの第2次都市計画マスタープラン(都市マス)の核となる全体構想(都市づくり基本方針)素案をまとめた。人口減少や少子高齢化の進展を踏まえ、都市機能集積の「中心拠点」と、周辺地区の「地域拠点」を道路・公共交通網で結ぶ「コンパクト・プラス・ネットワーク」型の都市構造を目指すとした。町は今後、地区別整備方針の素案を取りまとめ、41年度までの20年を期間とした計画を来年秋に成案化する。

 都市マスはまちの将来像を示し、それに基づいて都市整備を進めるための長期計画。現行の第1次は04年度に策定し、23年度までを期間とした。しかし、急速に進む人口減少など社会情勢の変化に合わせ、第2次計画を前倒しして策定することにした。

 策定委員会などの意見を踏まえて取りまとめた全体構想の素案では、「戦略的な縮充による持続可能な都市づくり」をまちづくりの理念に掲げた。人口減少社会に対応するため、まちの形を戦略的に縮小させつつも、住民の生活や地域の営みを充実させる「縮充」の視点が重要とした。都市整備の基本目標としては▽便利と快適が実感できるコンパクトなまち▽豊かな暮らしを実感できる魅力・活力あふれるまち▽誰もが安全安心に住み続けられる自然豊かなまち―の3点を示した。

 理念と基本目標の実現に向けては、地域公共交通を生かした拠点集約型のまちづくりを推進。JR白老駅周辺をまちの顔とした「中心拠点」、社台、萩野、北吉原、竹浦、虎杖浜の各JR駅周辺の5地区を「地域拠点」に位置付け、都市機能を誘導・集積させる中心部と、各地域を道路・公共交通ネットワークで有機的につなぎ、生活サービスを持続的に提供するコンパクトな市街地形成を目指すとした。

 また、住居系、商業観光系、工業系、公園系、農業系のエリアを定め、住環境の向上や工業用地の整備、自然・公園環境の保全など、エリアごとの土地利用方針も示した。

 白老町は人口減少に歯止めがかからない状況が続いており、国立社会保障・人口問題研究所は19年後の40年の白老人口を現在より約6900人少ない9180人になると推計している。このため、町は移住・定住施策などで減少スピードを抑え、都市マス最終年の41年度の人口を9615人にするとした目標も素案に盛った。

 町は今後、地区別の整備方針素案をまとめ、来年3月にパブリックコメント(意見公募)を実施。都市計画審議会への諮問、答申などを経て来年9月に正式に策定する。

 また、町はまちのコンパクト化を図るため、商業施設の中心部への誘導など、さまざまな都市機能を適正に配置する立地適正化計画の策定作業も進める方針だ。

こんな記事も読まれています

ニュースカレンダー

紙面ビューアー