第103回全国高校野球選手権大会南北海道大会室蘭支部予選は3日まで、とましんスタジアム=苫小牧=で開かれた。3ブロックのトーナメント戦を繰り広げ、駒大苫小牧と北海道栄、苫小牧中央が南北海道大会(17日開幕、札幌円山球場)の切符を手にした。各ブロックの熱戦を振り返る。
【Aブロック】
東・西胆振の強豪校ひしめく中、駒大苫小牧が相次ぐ接戦を物にした。苫小牧工業との2回戦は初回に3点を先行するも中盤に同点とされた。ただ、そこから「悲観的にならずに奮起できる代」と佐々木孝介監督が形容する通り、終盤に先頭打者が塁に出た好機を逃さず得点し振り切った。
大谷室蘭との代表決定戦でも粘り強さを発揮。序盤に先制を許したが、六回2死から3連打で逆転した。反撃の口火を切った4番で主将の佐藤大哲(3年)、5番橋本奏人(2年)、6番荒木凜(3年)の中軸3人が2安打1打点と役割を果たした。
投手陣ではエース左腕の石橋利久(3年)が2戦連続で完投勝利と孤軍奮闘した。
鵡川、苫工は共に2回戦で強豪私立を最後まで苦しめたが、勝利にはあと一歩届かなかった。
【Bブロック】
北海道栄が代表権を手にした。投手の小沼快登主将(3年)が奮闘し、2回戦の伊達緑丘戦は2失点で完投。代表決定戦の浦河戦では8回3分の2を投げて無失点の内容だった。
捕手奥山陸也(3年)や糸瀬直輝監督に「コントロール重視」と指示されていた通り、安定した制球力を披露。2試合通じて与えた四死球は一つだけだった。小沼は「低めに集めて浮き球に気を付けた」と振り返った。
打線は要所で連打を浴びせるなど勝負強さが光った。浦河戦の五回には2番新田慎一郎(3年)の3ラン本塁打を含む4連打の猛攻。浦河の先発下向の緩急をつけた投球に対応してみせた。糸瀬監督も「3打席目から振れるようになっていた」と評した。
浦河は1回戦の伊達開来と2回戦の室蘭清水丘との両試合をサヨナラ勝ちし、鮮烈な印象を与えた。苫小牧高専は室蘭清水丘に5―11でかわされ初戦敗退だった。
【Cブロック】
苫小牧中央が2試合を無失点で切り抜け、南北海道大会の切符を手にした。投手陣の抜群の安定感で隙を与えなかった。
2回戦は最速144キロの直球を誇る斉藤優汰(2年)が先発登板。140キロ超えの直球と鋭いスライダーを投げ分ける室蘭栄のエース住吉との剛腕対決を制した。
苫小牧東との代表決定戦は延長十三回に及ぶ激闘。先発した池翔空(3年)は9回を投げて無失点に抑えた。延長十回からはエース宮田文仁(同)を投入、勝負にこだわった。投手陣の粘投に打線も応え、最終回には3番三浦琉生(同)のサード強襲の適時内野安打でサヨナラ勝ちした。三浦は「当てれば何とかなると思って強く振った」と語った。
苫小牧東のエース猪田京佑(3年)は苫小牧中央戦で気迫のピッチングを見せた。146球を投げて13回を完投。静内は室蘭工業との初戦でコールド勝ちしたが、2回戦で姿を消した。苫小牧西・白老東・富川・えりもは初戦突破がかなわず初戦敗退だった。