堀江 敏夫氏(ほりえ・としお=元苫小牧市立図書館長)22日午後7時25分、胃がんのため、苫小牧市内の病院で死去。84歳。苫小牧市出身。自宅は木場町2の5の12。26日午前、市内で葬儀を終えた。喪主は長男の敏彦さん。
1936年4月28日、錦町生まれ。60年慶応義塾大学文学部卒業後、同年苫小牧市役所に入庁した。公民館、福祉事務所などに勤務し70年11月から市史編さん係長。75年から77年まで編集長として市史策定に関わり、77年から図書館長を務めた。その後、軽費老人ホーム所長を経て83年から再び図書館長に就任。97年に退職後、嘱託で市史編集準備室長となるなど、38年間にわたって市史編さんに取り組んだ。新穂別町史の編集にも携わり、苫小牧市港史の編集委員や駒沢大学苫小牧短期大学講師なども務めた。
65年には、旧勇払川古川で発見された道指定有形文化財「アイヌの丸木舟および推進具」の現地調査や発掘にも当時主事として関わった。主な著書に88年の角川地名大辞典(胆振・日高西部)、93年の江戸幕府八王子千人同心(共著)などがある。
堀江さんと丸木舟の調査や発掘に携わった元市博物館館長の佐藤一夫さん(80)は「図書館時代の先輩で若い時には公私共に交流があった。冥福を祈りたい」と述べた。
市美術博物館の武田正哉館長(59)は「市の社会教育にとって偉大な功労者の一人」としのんだ。
苫小牧郷土文化研究会の山本融定顧問(83)は「知識が豊富で学究肌の穏やかな人物。掛け替えのない歴史家だった」と話した。