復旧「やっとここまで」 本殿の修復完了 厚真神社が遷座祭

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  • 2020年7月13日
厚真神社本殿の復旧工事完了を祝って行われた神事

  2018年9月の胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真町の高台にある厚真神社の本殿修復完了に伴い、神体を社殿に納める神事「遷座(せんざ)祭」が12日夜に行われた。地元有志の「厚真神社復旧復興奉賛会」をはじめ、地元の関係者ら30人が駆け付け、社殿の復旧を祝った。

   120年を超える歴史を持つ厚真神社は、一昨年の地震で震度7の激震に見舞われ社殿内の柱が傾いたほか、基礎が崩れ、住居を兼ねた社務所とともに全壊した。改修工事は4月から始まり、建物自体はそのまま残し、軸の修復作業のほか、床や壁、窓を張り替えた。

   その一方、社殿と社務所の再建には少なくても1億2000万円の費用がネックとなっていたため、地元有志で奉賛会を設立。各地へ足を運んだほか、インターネットを使うなどして寄付の協力を呼び掛けてきた。

   遷座祭では神職が御神体を社殿内に納め、神職が祝詞を奏上、出席者が玉串奉奠(ほうてん)を執り行った。

   黒沢寿紀宮司(76)は「一見そんなに被害がないように見えるが、いざ工事になると大工さんは相当な苦労をされていた。感慨無量。よくここまで来たなと、ホッとしている」と胸をなで下ろした。

   社務所はすでに解体を終えており、秋ごろ本格的に改築作業が始まる。年内には完成する見通しという。

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