乳業製菓大手の明治(松田克也社長)は2日、恵庭市戸磯の工業団地「恵庭テクノパーク」内の道道江別栗山線(基線)沿いに飲用牛乳を生産する新工場を建設すると発表した。本道の生産体制を再編し、競争力を強化するのが狙いで投資額は約120億円。2021年3月に着工し、22年6月の操業を目指す。
新工場は、敷地3・3ヘクタールに製造棟(5階建て)と事務棟(3階建て)を建設。両棟合わせた延べ面積は約1万7000平方メートル。作業の自動化と省力化を進め、生産性を向上させる。年間生産量は約7万キロリットル。道内のほか、一部は都府県に出荷する。
新工場の建設に伴って、飲用牛乳を生産する旭川工場は23年3月で生産を中止する。ヨーグルト・飲料を生産する札幌工場も20年12月に閉鎖する。両工場とも老朽化が課題になっていた。
新工場は太陽光パネルや工場内から排出される熱を再利用するコージェネレーションシステムを導入し、二酸化炭素(CO2)排出量を既存工場比50%削減するほか、水資源も再利用・節水で既存工場比40%削減を目指す。
恵庭市への進出について、明治広報部は「新工場建設に十分な土地の広さや周辺環境、インフラの整備、物流面などを考慮し決定した」としている。
閉鎖となる札幌、旭川両工場の従業員は156人(4月1日現在)。新工場の稼働後も社員は原則雇用を維持し、恵庭市をはじめとして道内の各事業所に異動。パート従業員は個々の契約に基づき処遇するという。
明治は札幌、旭川両工場のほか、道内にはバター、チーズ、クリームを生産する十勝工場(十勝管内芽室町)、西春別工場(根室管内別海町)、本別工場(十勝管内本別町)、稚内工場(稚内市)の4工場がある。