新たな交流生まれる場所に「イチカラ」 コミュニティースペース開設 厚真

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  • 2020年6月22日

 2018年9月に発生した胆振東部地震を受けて、厚真町の復興や未来について考える町内の若者有志でつくる「イチカラ実行委員会」が21日、同町京町の空き店舗を利用して「イチカラ」と名付けたコミュニティースペースをオープンさせた。オープンを待ちわびた地域住民をはじめ、多くの人が町内外から足を運び、町にできた新たな交流施設の開設を祝った。

 同実行委は震災をきっかけに町役場職員や漁業、林業などの仕事に就く30代の有志が集まり、「厚真の未来について、話し合う場所をつくろう」と構想を話し合い、昨年8月にプロジェクトを本格化。10年ほど前にシャッターを閉じた空き店舗を改修し、飲み物を提供するキッチンにカウンター、テーブルに計20席を整えた。インターネット環境を整備しており、改修費など約350万円をインターネットで資金調達するクラウドファンディング、事業者による寄付で集めた。

 イチカラは当初、3月8日のオープンを目指して準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期になっていた。「イチ」にちなんでオープン初日の午前11時11分にシャッターを開け、来場者に開放した。公務員の森田綾さん(28)は「シャッターが閉まっていた場所に新しいお店が開き、こうして町民や町外から来た人が交わることのできるスペースになるのは素直にうれしい。まちなかが元気になって厚真の盛り上がりを感じる」と喜んだ。

 同実行委の澤口研太郎代表(32)は「ようやくスタートできたことをうれしく思うと同時に気を引き締めないといけない。1人でも2人でも来てくつろいでもらったり、新たなコミュニティーが生まれたら」と話していた。

 イチカラは午前9時から午後10時まで不定休で開放。すでに教室の貸し出しも行っている。イベントなどで利用する場合は有料で、事前の予約が必要。

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