帝国データバンク札幌支店は、2020年度設備投資計画に関する道内企業の意識調査結果を発表した。新型コロナウイルス感染拡大が企業経営に影響し、設備投資計画が「ある」と回答した企業は、前年比10・4ポイント減の51・4%にとどまった。設備投資を行わない理由も「先行きが見通せない」が52・4%に上り、最多となった。
設備投資計画については「予定している」と「実施を検討中」、「既に実施した」を合わせて51・4%が「ある」と回答。他方、「予定していない」企業は38・7%となり、前年比8・1ポイント増加した。
設備投資計画が「ある」企業の業界別では、「農・林・水産」が88・9%でトップ。以下、「運輸・倉庫」(62・9%)、「金融」(57・1%)、「製造」(56・2%)の順。前年と比較すると、「金融」が26・2ポイントの大幅減となったほか、「卸売」(45・4%)が17・3ポイント減、「小売」(46・9%)が16・4ポイント減など、9業界中6業界が10ポイント以上の減少となっている。
設備投資の内容(複数回答)では、「設備の代替」が43・5%で最多。これに「既存設備の維持・補修」(35・2%)、「省力化・合理化」(25・2%)、「情報化(IT化)関連」(23・3%)と続く。企業からは「新型コロナウイルスでテレワークを行うため、ノートパソコンが必要になった」(情報サービス)との声も上がっている。
資金調達方法は、「自己資金」(43・9%)が最も多く、これに「金融機関からの長期の借り入れ」(32・9%)が続いた。
設備投資を行わない理由(複数回答)では、感染拡大の影響で「先行きが見通せない」が52・4%で最多。前年比12・3ポイント増えた。企業からは「コロナ感染の影響が最悪1年以上続く見通しとなると、緊急性のない設備投資はできない」(金融)、「中・大型の設備投資は先行きが不透明な現状においては、ちゅうちょする」(運輸・倉庫)など不安視する声が数多く上がっている。
調査は4月16~30日に、道内企業1130社を対象に実施。586社が回答した(回答率51・9%)。
設備投資を行わない理由(複数回答)
順位 理 由 割合
1 先行きが見通せない 52.4%
2 現状で設備は適正水準である 29.1%
3 投資に見合う収益を確保できない 15.0%
4 既に投資を実施した 12.8%
5 借り入れ負担が大きい 11.5%
6 手持ち現金が少ない 7.9%
7 自社に合う設備が見つからない 7.5%
8 市場の需要がない 6.2%
9 投資のための借入見通しが立たない 5.3%
9 設備入れ替えに伴うリスクが大きい 5.3%