5月の道内企業倒産10件 新型コロナ関連は3件 商工リサーチ

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  • 2020年6月4日

 東京商工リサーチ北海道支社は、5月の道内企業倒産状況を発表した。倒産件数は前年同月比13件減の10件、負債総額は90・1%減の5億900万円にとどまり、現在と同一基準で調査を開始した1971年以降、5月としては最少だった。一方、新型コロナウイルス関連倒産は3件発生し、計16件となった。

 件数、負債とも過去最少になったことについて、同支社は「新型コロナウイルスの感染拡大の状況下において、セーフティネットなどの支援制度の本格化や、緊急事態宣言に伴い、裁判所の実務が繰り延べられたことが影響している」と分析している。

 原因別では「販売不振」が7件を占めて最多。業種別では「建設業」と「サービス業・その他」が各3件で最も多い。地域別では札幌市が7件を占めた。

 5月の企業倒産に伴う従業員の被害者総数は16人。今年1月からの累計では454人となった。

 新型コロナ関連倒産は3件にとどまつたが、同支社では「表面化していない案件が存在する」と分析。感染拡大の収束の見通しも不透明で、国内外の急激な需要回復も期待できないことを指摘し、「経営体力の乏しい企業が押し上げる形で、企業倒産は夏場以降、徐々に増勢に向かう」とみている。

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