道は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける観光事業者を支援するため、7月以降に道内を旅行する道民に旅行代金の最大半額、限度額1万円を助成する方向で、最終調整に入った。総額約23億円の助成費となる見込みで、16日開会予定の第2回定例道議会に2020年度一般会計補正予算案として提案する。
複数の関係者が明らかにした。支援策の内容は▽車で移動して宿泊した場合は1人当たり3000円~1万円▽鉄路や空路などがセットの宿泊商品の場合は5000円~1万円▽同様の日帰り旅行の場合は2000~5000円―の3種類を用意。それぞれ旅行代金に応じて助成額が決まる。
いずれも感染拡大予防と社会経済活動を両立させるため、道が掲げた新しい生活様式「新北海道スタイル」を実践する観光事業者を対象とする考え。実施期間は7月から来年1月までの旅行を対象とする予定だ。
同日開かれた道議会食と観光対策特別委員会では、宮川潤氏(共産党)が「感染拡大の収束を待つのではなく、その間、倒産しないように支え、観光事業者の経済活動に対する支援の強化が必要だ」と迫った。大内隆寛観光振興監は「道内、国内、海外といった順で、大々的に対応策を講じていくことが重要」と説明し、「本道の観光シーズンになる夏の観光需要回復に向け、積極的に取り組んでいく」との姿勢を示した。