苫小牧の自動車学校2校 3密対策徹底で教習進める、新規入校者数回復に期待

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  • 2020年6月3日

 新型コロナウイルスの感染防止策で「3密」(密閉、密集、密接)回避が求められる中、苫小牧市内の自動車教習所2校が業界団体のガイドラインに沿った感染防止策を講じ、教習を進めている。国や道の休業要請を受け、1カ月半の休業を余儀なくされたが、5月下旬から営業を段階的に再開し、新規申し込みの受け付けも始めた。経営への影響は少なくないが、関係者は「免許取得ニーズはある。職員と協力してこの難局を乗り越えたい」と話している。

 苫小牧市内の指定自動車教習所は、新中野町のNDS中野自動車学校と、拓勇東町の苫小牧ドライビングスクール(TDS)の2カ所。新型コロナに伴う政府の緊急事態宣言を受け、両教習所とも4月17日から臨時休業とし、教習は5月23日、新規入校は同25日にそれぞれ再開した。

 教習所の場合、教室で行う学科教習や車両を使う技能講習があり、いずれも3密対策などが課題。両校では全日本指定自動車教習所協会連合会のガイドラインに沿って、出入り口やトイレの除菌マット、飛沫(ひまつ)感染防止のアクリルパネルなどを設置。教室やロビーのベンチは張り紙でソーシャルディスタンス(社会的距離)を取るよう呼び掛ける。

 また、教習車両や送迎バスもハンドル、ドアなど手が触れる部分を念入りに消毒。教習中は全員マスク着用とし、複数の窓を開放して換気を進めている。

 休校の長期化で学科講習や技能講習ができない期間もあったが、NDSの松田司校長は「仮運転免許証の有効期限などが近い教習生を優先し、期限内に免許取得できるよう対応を進めている」と話す。

 一方、休業による経営への影響も出ている。教習所は教習料を事前に払い込むケースが多いが、TDSの畑中賢次校長は「休業中は新規入校者がなく、収入はゼロだった」と語る。ただ、就職や仕事に必要な免許取得ニーズは大きく変わらないとみており、「当面は(自粛などの影響で)動きが鈍い面もあると思うが、新規入校者数は徐々に戻ると考えている」と前向きに展望を語った。

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