苫小牧市の岩倉博文市長は3日、新型コロナウイルス対策として、▽地域経済対策▽感染拡大防止▽子どもたちの日々―3点に配慮した市独自の新たな施策を展開すると発表した。2020年度一般会計補正予算案に関連事業費として総額約4億円を盛る予定。中小事業者や市内の大学に通う学生などの経済的支援、小中学校、公共施設の感染対策強化、マスクなどの備蓄品補充などに取り組む。
新型コロナ感染拡大に伴う市のイベント中止などで約5000万円の財源を捻出したほか、国の地方創生臨時交付金などを活用する。
新たな経済的支援策としては「中小事業者持続化支援事業」名目で、国の持続化給付金の受給決定など一定の条件を設けた上、コロナ禍で大幅な減収となった市内の中小企業、小規模事業者に10万円を支給する。道の休業等支援金などを受給した事業者を対象に、上下水道料金を休業要請期間の2カ月分減免する。
感染予防関連では防災備蓄品としてマスク5万枚、消毒液1200本などを補充。公共施設や路線バスなどの感染予防策も支援する。
「子どもたちの日々」を守るため、小中学校に非接触型体温計を用意。校内の3密(密閉、密集、密接)緩和へ情報通信技術(ICT)環境の整備を強化する。学校給食に関しては休校期間の5月分の給食費は徴収しない措置を取っているが、就学援助世帯には家計の負担軽減を目的に1カ月分の給食費相当分を昼食費として加算支給する。
苫小牧駒沢大学の学生と外国人留学生、苫小牧工業高等専門学校の外国人留学生には一律5万円を給付する。
3日、記者会見した岩倉市長は新型コロナ問題の長期化を見据えつつ、「感染状況や実態経済を踏まえながら、スピード感を持って対応したい」と話した。
市はすでに専決処分で、道の休業要請や感染対策に協力した事業者に一律30万円を支給する休業等支援事業に約1億9000万円、小規模事業者向けに消費喚起や店舗改装などの支援事業に約1億円を計上している。