道議会は2日午後、九つの常任委員会を一斉に開き、完成した新庁舎での活動を本格的に開始した。保健福祉委員会(沖田清志委員長)では、新型コロナウイルス感染症対策を集中審議。道は感染拡大の第3波に備え、軽症者用の宿泊療養施設について「本道の広域性も重視し、各医療圏単位の全道6カ所(市)を目標に速やかに設置できるよう準備を加速していく」との姿勢を示した。村田光成氏(自民党・道民会議)の質問に答えた。
宿泊療養施設は現在、札幌市内に「東横INN札幌すすきの南」「リッチモンドホテル札幌駅前」「アパホテル&リゾート札幌」の3棟(計930室)設置。一部を「臨時の医療施設」と位置付け、高齢者や基礎疾患がある人も受け入れ可能になっている。第3波が到来し、札幌以外の地域でも感染が拡大した場合に備え、旭川、函館、釧路、帯広、北見の5市にも設置する準備を進めている。
この他、武田浩光氏(民主・道民連合)は、第3波に備えた検査体制の強化・拡充について質問。三瓶徹保健福祉部長は「検体採取に特化したPCRセンターの設置を進める」とし、既に開設されている札幌、函館、苫小牧市に加えて、「新たに千歳、江別、旭川市でもPCRセンターの設置に向けた協議を進めている」と述べ、計6市に拡大する考えを示した。
また、三瓶保健福祉部長は、PCR検査について「1日当たり1400人程度の検査が行えるよう体制を拡充した」と説明。今後については「第3波以降の波に備えるため、道内の医療機関に抗原検査の導入を進める」と述べ、唾液を含めた検査手法の多様化にも対応して、感染拡大防止対策に全力を挙げる姿勢を示した。