新型コロナウイルスの感染拡大防止に係る一部業種に対する休業要請について、鈴木直道知事が6月1日付で全面解除すると発表したことを受け、苫小牧市内のカラオケ店などの対象店舗が営業再開に向けた準備を進めている。
市内木場町のホットヨガ教室「loIve(ロイブ)苫小牧店」では29日、鈴木知事の発表を受けて6月1日の再開を決定。教室内はヨガマットの間隔を1・5メートルずつ空けるよう配置を換え、店内消毒など万全の対策を講じて週明けの営業再開に臨む。同社広報担当者は「休業中は再開を心待ちにしているという声や温かい応援も頂いた」とし、新型コロナで生活環境が変化する中、「心身のストレス解消に役立ちたい」としている。
カラオケボックスも多くの店舗が1日から。「まねきねこ」の名称で市内4店舗を運営するコシダカ(本社東京)は、店内機材の確認や消毒、受付カウンター前に飛沫(ひまつ)防止用の透明ビニールをつり下げ、アルバイトスタッフの勤務調整などを進める。IR広報室は「神奈川県の店舗が再開したときは朝から続々と来店があった。苫小牧でも多くの方に目いっぱい楽しんでほしい」と話す。
市内元町のカラオケ歌屋苫小牧店を運営する「タカハシ」(本社札幌市)も1日付の再開を決めた。マスク未着用者は入店を断るほか、来店時の手指消毒、部屋のサイズに応じた利用人数の制限、一部サービス縮小などの対策を講じる。広報企画室は「1カ月半ぶりの営業でうれしい。密にならないようお客さまにも協力をお願いし、安全安心な環境で楽しんでほしい」と語る。
一方、ライブハウスは解除後も変化がない。市内王子町のライブハウス「エルキューブ」を運営するリブライフの杉村原生社長(41)によると、4月、5月の予約はすべてキャンセルで6月も予定はゼロ。新たに始めたインターネットのライブ映像配信は続けるが「今は様子を見るしかない」と厳しい表情で語る。
店舗にライブハウスを併設する市内春日町のさいとう楽器の斎藤典子社長(65)も「11月まで予約がない」と現状を語る。大型ライブも中止が相次ぐなど夏までは業界全体の動きがないとし「秋からは少しずつでも動いてほしい」と祈るように話した。