安平町追分地区の特産品「追分カンロ」の出荷が27日から始まり、28日に札幌市中央卸売市場に上場された。今季は新型コロナウイルスの長期化などに伴い、需要の落ち込みが懸念されるが、品質と安定した生産量を確保することで目標額につなげる考え。出荷は9月上旬まで続く。
今季の初出荷は昨年と同じ日付になった。品種は、同町追分弥生の二又哲雄さん(83)が生産した「小林香瓜」10箱(1箱8キロ)。27日に町追分花園にあるJAとまこまい広域の野菜集出荷場に運び込まれ、二又さんは「低温が続いて影響はあったが、だいたい生育は順調に進んだ。糖度も高く、9度あればいいところ14度もあった」と満足そうに話した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で札幌市中央卸売市場での初競りは中止となっている。
追分カンロ組合(岩倉啓一組合長)によると、今季は6戸が約3・5ヘクタールの作付けで「小林香瓜」を主軸に生産する。出荷目標は昨年と同じくおよそ8000箱、販売金額は約2500万円を目指す。昨年はいずれも目標を達成したが、今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響や他地域との競合などで単価の下落が予想される。
岩倉組合長は「価格面や(台風などの)災害の懸念もあると思う。いろいろと不安はあるが、適正な価格を確保し、より良いものを数多く提供したい」と結束を呼び掛けた。