苫小牧市医師会は21日、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる「苫小牧PCR検査センター」を25日に苫小牧市内に開設すると発表した。管内の医療機関(東胆振1市4町)の医師が検査を必要と判断した人が対象。プレハブ内の気密性の高いボックスから医療スタッフが手だけを出し、歩いてきた患者から検体を採取する「ウオークスルー方式」を採用。検査体制の強化を通じて感染者の早期発見、感染リスクの低減などを狙う。
検査は市医師会が実施主体で、道が委託。保健所の許可を受けて行うPCR検査とは異なり、管内医療機関の独自判断で感染確認ができる。
開設場所については、プライバシー保護や感染拡大防止へ密集などを回避する観点から非公開とした。
プレハブ内は、透明のアクリル板で間仕切り。ボックス内の医師らが板越しに手袋を着けた手だけを出し、歩いて入ってきた患者の鼻から綿棒で検体を採取する。検体は札幌市内の民間検査機関に送られるという。
検査は平日の午後2~4時の時間帯で1日当たり8人程度を予定。状況次第では、時間延長や人員増強を行う。
受け入れるのは、かかりつけ医などが検査を必要と判断した人。本人または家族の運転で自家用車での来所が可能な場合に限る。
事前に医師から同センターに連絡を入れるため、患者が直接、同センターを訪れても検査は受けられない。検査結果は検査の翌日に苫小牧保健所から電話で連絡。陽性の場合は医療機関などにつなぐ。
市医師会は21日、苫小牧市と合同で記者会見を開き、沖一郎会長は「これまでの保健所を介した検査に加え、医師が必要と思えばすぐに検査できる体制が整う。第2波や第3波に備えたい」と話した。
岩倉博文市長は「地域医療の観点からも重要な施設で心強い」と期待を寄せた。
道が札幌市内でドライブスルー式PCR検査センターを開設しているほか、函館市医師会も今月中の開設を目指している。