2018年9月に発生した胆振東部地震で建物が被災し、移転改築する安平町の特別養護老人ホーム「追分陽光苑」の地鎮祭が10日、追分青葉の建設用地で行われた。新しい施設は12月15日に完成、引き渡しを予定している。
新施設はJR追分駅近くの町有地に建設。鉄筋コンクリート造り2階建てで、敷地面積約5500平方メートル、延べ床面積は約2700平方メートル。ケイ立身設計(札幌市)が設計監理を行い、泰進建設(同)が施工。1日に着工している。
地鎮祭には役場や施設、工事関係者ら約30人が出席した。祝詞(のりと)奏上やくわ入れの儀、玉串奉奠(ほうてん)などを執り行い、工事の安全を祈願した。来賓の及川秀一郎町長は「(震災以降)安平町の懸案になっていた追分陽光苑の移転改築が始まったということで安堵(あんど)しているところ。この地鎮祭が大きな一歩になる」と期待を込めた。
震災前まで追分花園にあった旧施設は、一昨年の地震で地盤沈下や敷地内で地割れが発生。ボイラーや浄化槽が損傷するなど大きな被害が出た。現在33人が追分白樺に整備した福祉仮設住宅に入居しており、新施設が完成した後、仮設住宅の入居期限となる12月26日までに引っ越し作業を行うことになっている。
施設を管理する「社会福祉法人追分あけぼの会」の菅野勇治理事長は「まずは着工できてほっとしている。事故なく、けがなく完成することを願っている」とあいさつ。「利用者には不便な思いをさせているので、一日も早く元の暮らしに戻したい。正常の状態で来年の年明けを迎えたい」と話していた。