本道を訪れる外国人旅行者は2018年度に約315万人(道経済部調べ)を数え、この10年ほどの間に4倍以上に増えた。今は新型コロナウイルスの感染拡大の影響から減っているものの、「食」と「観光」を重点推進する道は20年度までに年間500万人の来道外国人旅行者を目標に掲げる。
札幌、千歳で通算7年過ごし、観光地や空港で外国人旅行者が増えていく様子を肌で感じてきた。道順をたびたび尋ねられ、英語にそれほど明るくないこちらが返答に窮した経験もあって3年ほど前から基礎英語のラジオ放送を聞くようになった。頭の柔軟性が失われ、いまだ流ちょうな英語は難しいが、同じように中学、高校で英語を学びながら英会話を苦手とする人は少なくないのではないか。
国は、グローバル人材の育成を前面に4月から小学校に英語教育を本格導入する。小さい頃から英語に親しみ、読む、書くに加え、話す力を身に付けてもらおうという方針で、高学年では年間70時間ほどのカリキュラムが組まれる。数年間の移行期間があったものの、この小学校の英語教育には今も賛否さまざまな意見がある。
「小さいうちは、英語よりも読書を通してもっと教養を身に付けるべきだ」と、英語教育導入によって学習時間が削られる他教科への影響を心配する識者もいる。教育の成果は10年先を見なければ分からない難しさがある。(教)