北海道大学北方生物圏フィールド科学センターは、29日午後2時からサケのふるさと千歳水族館=千歳市花園2=で市民講座「もっと知ろう! 北海道のアズマヒキガエル~科学で明らかにするその影響~」を開く。同センター苫小牧研究林の岸田治准教授と水本寛基、高井孝太郎両学術研究員が講師を務め、外来種の「毒ガエル」が道内の在来種に与える影響を報告する。
三井物産環境基金、旭硝子財団研究助成の後援。
皮膚から毒液を分泌するアズマヒキガエルは、東北から中部地方の本州の東側エリアにかけて広く生息する。本道には人為的に持ち込まれた国内外来種。函館や大沼、室蘭をはじめ、石狩川水系の札幌でも確認されているという。アズマヒキガエルの卵やオタマジャクシも毒を持ち、エゾサンショウウオやエゾアカガエルなど在来種への食物連鎖による影響も危惧される。
市民講座では、岸田准教授らが4年に及ぶ調査の成果を発表。最新の技術によるアズマヒキガエルの分布推定など科学的知見を報告する。
岸田准教授は「身近な生き物が移動することで起こる意外な影響を知ってほしい」と話す。受講は無料。申し込み不要。別途入館料が必要。