「失敗は発達の足掛かり」 北大病院特任助教の柳生氏が講演 千歳

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  • 2020年2月21日

 千歳市要保護児童地域ネットワーク協議会は20日、市内の中心街コミュニティーセンターで研修会を開いた。児童思春期精神医学研究者で北大病院特任助教の柳生一自氏が「発達障害を抱える子どもへの向き合い方と家族支援」と題して講演した。

 柳生氏は、神経発達症(発達障害)を「生まれつき能力に凸凹があって社会適応に向けた支援が必要な状態」と解説。健常者を基準にしたまちづくりや制度などの社会モデルに触れ、「障害があるから不便なのではなく、障害と共に生きることを拒否する社会であるから不便」と指摘。療育(子育て)は「子どもから『もっと』の期待を引き出すことが大事。療育の基本は家庭。子どもにとって失敗は発達の足掛かり。大人は受け入れる度量が必要」と強調した。

 また、家族と学校の先生は、子どもの伴走者とした上、「ペースに合わせて走り、時には苦しみを分かち合い、休ませる余裕も必要」と心構えを説いた。

 同協議会は児童相談所、保健所、警察署、民生委員児童委員、認定こども園、保育園、幼稚園、小中学校、医療機関などで構成。児童虐待の早期発見や未然防止、適切な保護や支援に取り組んでいる。

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