自家焙煎(ばいせん)コーヒー豆の通信販売、きゃろっと(本社恵庭市、内倉大輔社長)は、恵庭市戸磯に新たなコーヒー豆の焙煎工場を建設し、このほど稼働した。従来の4倍となる1カ月当たり約30トンの豆の焙煎が可能となった他、子どもの遊び場所を設置するなど従業員が働きやすいように配慮。内倉社長は「働いている人が誇りに思える工場にしていきたい」と話している。
新工場は鉄筋コンクリート造り1階建てで、床面積は1000平方メートル。大きな窓を設置した現代的な印象の屋内には、子どもの遊び場や従業員の休憩スペースを確保。地下水の熱を暖房に利用する地中熱ヒートポンプを採用した。現在は1カ月当たり8トンを焙煎しているが、今後は生産量も増加していく見通し。特注の焙煎機も導入している。従業員はパートを含めて30人で、そのうち20人が子育て中だという。
同社は1988年に創業。コスタリカやブラジル、グァテマラ、ケニアといった各国から、生産量が少なく良質な味とされる「スペシャルティコーヒー」を提供してきた。市内恵み野西にあった従来の焙煎工場が、出荷量と従業員の増加により手狭になったため、新工場の建設を決定。昨年4月に着工、同12月に完成した。
内倉社長は今後の見通しについて、あえて「現状維持」を強調。「子どもがお母さんの近くで遊べる現在の環境はとても良く、維持のためには新しい取り組みが必要になる」とし、「コーヒーを通して人生を豊かにしてもらうために試行錯誤していきたい」と話している。