千歳市内の老人クラブ、富士こぶし会(村上松夫会長)がこのほど、5年連続で会員増加の実績を挙げたとして、全国老人クラブ連合会から表彰状を受けた。こぶし会は富士町内会と連動した活動で会員の加入促進に力を入れている。今後も高齢者の生きがいづくりなど、活動を繰り広げる考えだ。
表彰は会員増強の意欲を高め、老人クラブ活動の発展につなげる目的で同連合会が実施。同連合会が進める「100万人会員増強運動」(運動期間2015~19年度)の一環で、継続して会員数を増やしたクラブが対象となる。
市内に限らず、全国の多くの老人クラブでは会員数の減少や伸び悩みが大きな課題だ。こぶし会では、13年に58人だった会員が14年には71人、15年には78人、16年は80人と増加。85人(17年)、93人(18年)と5年連続で増強を達成した。19年12月末現在は、物故者がいたこともあり、65歳から100歳までの92人が在籍する。
会員数が増えるこぶし会は精力的に活動を展開する。誕生祝いと位置付ける食事会を3カ月に1度、「いきいき百歳体操」などを行う集まりを毎週企画する。毎月開く例会でもお茶を飲みながらカラオケを楽しむ。各行事では交通手段のない高齢者のため送迎を行い、参加の機会を増やしている。
町内会と連動した取り組みも功を奏している。町内会が定期的に行うサロン活動にもメンバーが参加し、お茶やコーヒーを飲み放題で楽しみ、マージャンや囲碁、カラオケで懇親を深める。町内会の福祉部が手作りの弁当を独居の高齢者など約100人に届ける「ぬくもり弁当事業」も展開。いずれの機会でもこぶし会への入会を勧めている。
村上会長は「友人ができるなど、クラブの活動に魅力を感じる人がいる。今まで顔を見たことのない男性が行事にやって来たこともある」と手応えを感じる。表彰されたのを機にいっそうの活動の進展と深化を目指し、「健康寿命を延ばして、独り暮らしの高齢者を引きこもりにさせないよう取り組みたい」と抱負を話している。