恵庭市は14日、手話言語条例制定記念イベントを市民会館大ホールで開いた。市民454人が集まり、参院議員で聴覚障害者教育福祉協会理事の今井絵理子氏が手話を交えて講演した。
今井氏はダンスボーカルグループ「SPEED」の元メンバーで、2004年に長男を出産。08年に息子の聴覚障害を公表し、講演、執筆など聴覚障害者の教育福祉に力を入れてきた。同条例は手話を言語と認め、聴覚障害者、手話への市民理解を促進するのを目的に、昨年10月に制定された。
今井氏は息子が生後3日に聴覚障害が発覚したが「どんなに高い壁があっても笑顔でこの子を支える」と母として決意したことや「初めて息子が使った手話は『トイレ』だった」など、数々のエピソードを語った。「手話が唯一の希望だった」とし、「手話の素晴らしいところは目を合わせないとコミュニケーションが取れないところ」と話した。
「恵庭でも耳が聞こえない人が生まれてくるかもしれない。手話が言語としてたくさんの人に認めてもらえるようになることで、障害が個性としての輝きになる」と強調した。
講演の後は千歳聴力障害者協会が簡単な手話講座を実施。今井氏はステージ上で子供たちと手話歌の「世界中の子供たちが」を披露した。