お帰りなさい

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2020年1月7日

 空は青くきらきらしているのに、木々の間から夢のような雪片が降って来る。公園を歩いて初詣へ向かう途中。まるで風花みたいだ。遠くの雪雲から、風が運んで来たのかもしれない。

 年末年始は帰省せず、札幌で過ごした。見たかった映画を何本か見に行った。どの作品も混み合っていたが、その1本は特に年齢層も幅広く観客の熱気を感じた。「男はつらいよ お帰り寅さん」(山田洋次監督)。希代の名優、渥美清さんが1996年に亡くなって終幕したシリーズの復活。現在のシーンに過去の49本の作品を編み込ませた新作。エンディングで渥美さんが歌う主題歌が終わると、札幌の劇場で拍手も起きた。

 渥美さんは自分の作品を映画館によく見に行ったそうだ。シリーズで人気の高いシーンに「メロン騒動」がある。うっかり、おばちゃんが寅さんの分を切り忘れたことから巻き起こる騒動。渥美さんはテレビで「渋谷の映画館では笑いが起きる。でも浅草の映画館では静か。寅が怒るのも無理はない…」と、山の手と下町の笑いの違いを話していたことを思い出す。

 駅まで見送りに来たおいの満男が「人間は何のために生きてんのかな?」と聞くシーンがある。寅さんはこう答える。「生まれてきてよかったなって思うことが何べんかあるじゃない、ね。そのために人間生きてんじゃねえのか」―。年の初め、自由人・寅さんからのメッセージが心に染みた。(広)

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