豊かさ

  • ニュース, 夕刊時評
  • 2019年12月31日

 主に大人の女性を対象にした雑誌「ミセス」が、読者100人の声を集め、1988(昭和63)年の2月号で「”豊かさ”って何だろう」という特集を組んだことがある。1年後に平成が幕を開けるという頃のことだ。

 経済学者の暉峻淑子さんが、89年の著書「豊かさとは何か」(岩波新書)で紹介している。女性たちの回答は、「きれいな空気と豊かな自然。近所には図書館、保育所があり、ミセスも安心して仕事が出来る。受験戦争もなく、子どもはのびのびと学び、遊ぶ。老後はのんびり年金生活。ひとりぐらしになっても福祉サービスがいき届いていて安心」「日の当たる家に住み、家族そろって夕食をとり、日曜日には公園や郊外に足をのばしてスポーツに汗を流す。年に一度くらいは家族でバカンスを楽しむ」「平和であること、老後に不安がないこと」「多少不便でも、公害、農薬、食品添加物がない生活」「公害をなくし緑をふやす。子どもを塾から解放し、まじめに働く者に住宅を与えることが出来る国」など。つつましい願いが並んでいるように思えるのだが、こうした豊かさを手にするのがどれほど難しいことか。30年を経た今だって、その難しさは変わらない。

 昭和に生まれ、平成を生き、令和にたどり着いた。そんな自分にとって、家族にとって、周りのみんなにとって、豊かさって何だろう。あと数時間すると除夜の鐘が響く。皆さん、よいお年を。(松)

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