「本のまち恵庭」支える 市立図書館 黄色いエプロンの会20年 書籍リサイクルで地道な活動

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  • 2019年12月26日
黄色いエプロンを身に着けて本を仕分けするメンバー

  恵庭市立図書館で活動する図書ボランティア団体、黄色いエプロンの会(渡邉三好会長)の活動が今年で丸20年を迎えた。市民から寄せられた不要本を整理して「本のリサイクル市」で販売し、益金を図書館に寄付する事業に取り組んできた。1年間で約4万冊を取り扱う地道で膨大な作業が「本のまち恵庭」を支えている。

   同会は1999年7月に発足。元会長で現在も活動する91歳の川端信雄さんが、日ごろから活用している同館の力になりたい―とボランティアを開始。当初は、書架の整理や破損した図書の修繕など、図書館の維持に関わる業務を多方面からサポートした。

   10代から高齢者まで、幅広い世代の市民がボランティア活動し、交流も深めながら継続してきた。毎年、春と秋には本のリサイクル市を開き、市民から寄贈された古書を図書館付近で販売。これまでに益金の寄贈は40回、累計で267万円相当に上る。

   現在は年配者を中心とした19人が在籍。週2回、本館に集い、エントランスに設置した古書回収ボックスに集まった本を分類している。

   「これは新しいね」「人気作家の本だ」。この冬も倉庫で小さな椅子に座り、大量の本を手際よく仕分けする。

   文庫本、美術書、図鑑、漫画、絵本といったジャンルごとに、本の状態と発行年数に応じて数十円程度の価格を付けていく。引っ越しシーズンや年末には一度に3000冊を取り扱うこともあるという。

   根気を要する作業だが、販売できる状態の本は全体の半分程度。約3割は無料本として市民に提供し、2割は古紙回収で換金。どんな本も無駄にせず役立てている。

   渡邉会長は「活動を理解して、きれいな状態で出してくれる人も少なくない。図書館が探している本が出てくることもある」と地道な取り組みを知る人が増えた実感を語る。川端さんは「20年間、毎週2日間、みんなで休まず続けてきた。協力がありがたいです」と回顧した。

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