プロ野球日本ハムの北広島新球場を核とするボールパーク(BP)建設構想の下、北広島市共栄で天然芝の栽培試験が進められている。BP建設を手掛ける大手ゼネコンの大林組が試験場を設置し、3年かけて寒冷地で高品質な芝の栽培法を開発する。
大林組は今年10月からBP予定地に隣接する約3000平方メートルの土地で実験棟6棟を建て、1棟当たり15平方メートルほどの芝を植えて試験している。実験棟は本物の球場デザインと同様の30分の1サイズ。南側はガラス張りで日光も入る。
BPは日本初の開閉式屋根を持つ野球場となり、冬は利活用や費用面から屋根を閉じる計画。芝に雪が積もれば休眠状態となるが、同社によると、「雪のない状態で冬に芝を維持管理することは国内で例がない」という。試験場では照明や地面の温度、風向きなど複数の環境条件を各棟で少しずつ変え、2023年の開業までに寒くてもたくましく、高品質の芝生作りを目指す。
実験に取り組む同社技術研究所の自然環境技術研究部の十河潔司副部長は取材に「選手に喜んでもらえるようなプロ野球仕様の強い芝を作りたい」と抱負を語った。