中国の航空会社、山東航空は11月29日、新千歳―山東省・青島線に初めて就航した。同社の道内と中国を結ぶ航空路線としても青島線は初。週3往復で双方の観光需要の取り込みを目指す。旅客数が順調に推移すれば、来年1月末には週4往復に増便したいという。
当面の運航は金曜、土曜、日曜。午後7時に新千歳に着き、同8時に折り返す。飛行時間は約3時間30分。ボーイング737―800型機を使用し、座席はビジネスとエコノミーの2クラス約170席を構える。同社の日本路線では関西、中部に続き3番目。運賃はエコノミーで片道3万5000円から。平均約8割の搭乗率を見込む。
初便出発前に新千歳空港で就航記念式典を行い、関係者がテープカット。同社日本支社の劉健支社長はあいさつで「多くの中国人とともに北海道からの訪中客の増加を願っている。魅力あふれる観光地や食などを楽しめるのが山東省。この路線が北海道と山東省のビジネス、観光、文化の交流基盤となってほしい」と語った。
同社によると、北海道は中国でも知名度が高く、道内を舞台とする映画がヒットしたのをきっかけに本道の景色や食材に憧れる人々が増えたという。「将来的には同省の済南と青島の2路線で毎日運航したい」(劉支社長)との考えだ。
同社は1994年設立。中国国内に加え、国際線では韓国やタイなど6カ国・地域に就航している。日本では関西空港発着便を週28往復、中部空港発着便を週7往復運航中。
中国からの来道観光客は近年、増加傾向を見せる。道の統計によると、来道中国人客数は2013年度の約15万8300人から18年度の70万8900人と4・4倍に伸びている。
新千歳発着の定期便中国本土路線は青島線の開設で上海や北京、天津など8路線となった。