調味料製造の久原(くばら)本家食品(本社福岡県久山町、河邉哲司社長)が恵庭市内の戸磯南工業団地に進出する。新工場を2020年夏から建設し、21年7月に稼働する予定。同社主力ブランド「くばら」の鍋スープや道産食材を使った商品開発も手掛ける。同団地はこれで完売した。
同社は1893年創業の総合食品メーカー「久原本家グループ」の中核企業として、各種商品の製造を担っている。グループ全体の社員数は1172人。主力ブランドの一つ「茅乃舎(かやのや)」は2013年に大丸札幌店に直営店をオープン。恵庭は人口増が続き雇用が見込めるほか、空港からも近く、良質な食材、地下水などを確保できるため進出を決めたという。
同団地の3分の2に相当する6ヘクタールを購入。製造機能をメインとする建物の面積は5000平方メートルの見込みで、同社によると土地購入費を含む建設費用は約50億円の見通しで、30~100人の雇用を想定している。
同団地への進出が決まっている加工野菜の製造販売を行うせき(本社茨城県ひたちなか市、関孝範社長)との連携も視野に入れる。
河邉社長が11月27日、同団地の造成工事や販売を行う恵庭市戸磯南土地区画整理組合の杉岡正三理事長らと共に恵庭市役所を訪れ、原田裕市長と懇談。「あの工場で働きたい、と思ってもらえるような、市民の憩いの場にもなるすてきな施設にする。良いものを作っている生産者と一人でも多くつながりたい」と述べ、「北海道での製品づくりで、他の食品会社も刺激したい」と意気込みを語った。原田市長も「私どもも精いっぱい支援したい」と話した。