恵庭市恵み野北で北海道ハイテクノロジー専門学校など3校を運営する学校法人滋慶学園(東京)は、大規模な学科再編を2021年春までに進める。ハイテクノロジー専門学校では看護などの4学科を札幌市厚別区の新設予定校に移転、バイオテクノロジー(生命工学)など3学科を廃止する一方、情報技術(IT)関連の3学科を新設する見通し。再編後の全学年総定員数は現在の約1200人から200人ほど減少するが、空き教室を活用し、研究室や実習室の整備を順次進める方針という。
ハイテクノロジー専門学校は1988年4月に開校し、これまでバイオテクノロジーや医療などの技術教育を展開してきた。今回の再編は、教育や人材育成の方向性をIT重視に転換していくのが目的。
移転するのは、看護のほか、歯科衛生士、臨床工学技士、視能訓練士の4学科(入学定員計200人)。移転先はJR新札幌駅前の再開発に伴い21年4月に開校する「(仮称)札幌看護医療専門学校」で、近隣の病院での実習などを通じた実践的な医療教育を目指す。再開発を手掛ける大和ハウス工業が、同学園側に移転の打診をしていた。
ハイテクノロジー専門学校では20年3月末までに日本語学科、21年3月末までにバイオテクノロジー、子ども保育の両学科(3学科の入学定員計120人)を廃科する予定で、いずれも既に学生募集は停止中。今後IT関連の学科の新設に向けた手続きに入る予定だ。
同校の切明毅事務局長は恵庭の特徴として、人口が伸び、農業基盤が整っているほか、近隣自治体でカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致へ向けた機運が高まっていることなどを強調。「厚別区の新設校を医療教育の拠点にしつつ、恵庭ではIT教育の機能を高めていく」とし「農業分野などへのIT活用などを通して地域に貢献していきたい」と話す。
救急救命士、義肢装具士、医療事務、ITメディア、キャリアデザイン・公務員(入学定員250人)の5学科は引き続き運営していく。
同校では学科再編後、実習室や研究室などを活用した一層の産学官連携も進める構想。23年には起業家養成といった取り組みも視野に入れている。