町の健康まつりに合わせて、ひだか食育推進協議会(日高振興局)による「ひだか食品ロス削減セミナー」がこのほど新冠町のレ・コード館で開かれ、町内外からの参加者が新冠町特産のカボチャを無駄なく使った料理や、捨てることの多い食品をおいしく食べる方法を学んだ。
食品の廃棄物削減に向け道が推進している「どさんこ愛食食べきり運動」に連動したセミナーで、講師は町内の地域料理家・田村佳重子さん(専門調理食育推進員)。田村さんは節婦小給食調理員を経て、現在は町内高齢者向けに「脳の元気アップ教室」の講師などを務める。本年中に町内で惣菜店「紅(あかり)」がオープン予定。
食品ロスは、食べ残しや賞味期限切れなどで、まだ食べられるのに捨てられる食品。日本全体では年間643万トン(1人当たり51キロ、2016年度)が廃棄され、約半分の291万トンは家庭から。世界中の貧しい国に各国から送られる食糧の支援量より多いという。
田村さんは弁当やサンドイッチなどの「消費期限」と、缶詰やレトルト食品などの「賞味期限」の違いも説明。消費期限を過ぎた食品は食べない方が良いが、カップ麺などの賞味期限は「おいしく食べられる期限」で、ある程度過ぎてもまだ食べられるため、この違いを正しく理解してほしいと説明。
セミナーには約40人が参加。普段は捨てる栄養価の高いカボチャのわたや種の有効利用法なども示し、スープなどを調理し実演。仏壇に供えた冷や飯を利用し、みそ汁、きんぴらゴボウ、たくあん、キャベツなどを卵や小麦粉で混ぜた「お供え焼き」もグループで作り、ロスをなるべくなくし全部食べ切る心構えについて学んだ。