美々ちゃん ユニークな形 興味津々 千歳 美々出土の動物形土製品展示

  • ニュース, 主要, 千歳・恵庭
  • 2019年11月14日

 千歳市が所蔵する国の重要文化財「動物形土製品」の実物が千歳市埋蔵文化財センター=市内長都=で公開されている。ユニークな形に縄文ファンからは「美々ちゃん」の愛称で親しまれる文化財。縄文文化に関心を持つ市民が訪れ、不思議な模様と角度によっては海獣や鳥類にも見える特有の造形に想像を巡らせている。15日までの公開。

 市内の国指定史跡キウス周堤墓群を含む「北海道・北東北の縄文遺跡群」が世界文化遺産候補になっていることから、市民に縄文文化に関心を持ってもらう目的でキウス周堤墓群を守り活(い)かす会(大江晃己会長)と同センターが展示会を企画した。市内での実物一般公開は初めてとみられる。

 土製品は1976年に、新千歳空港の建設工事を前にした調査で市内美々の美々4遺跡から出土した。2500年前の縄文時代の遺物で、全長31・5センチ。頭部、首、胴体と四肢が土で形作られ、中は空洞だ。流線や縄で付けたような模様が施され、所々に酸化鉄由来の赤い顔料「ベンガラ」が付着している。かつては鮮やかな彩色が施されていたよう。79年6月に国指定重要文化財に指定された。

 泳ぐ水鳥、アザラシやトドなどの海獣、ムササビ、カメ―。見る角度や各人の感覚によって、造形の捉えられ方が違う。四つの穴が開いていることから「息を吹き込みオカリナのような楽器にしたのでは」「棒を穴に通して儀式で使ったのかも」と独自の「仮説」を立てる人もいる。謎めいた形が縄文ファンの想像をかき立てる。

 11日に訪れた千歳小3年生2人組も「美々ちゃん」に興味津々だ。佐藤ちひろさんは「いろんな動物(の特徴)が混ざっているみたい。見て良かった」と目を丸くする。大野初実さんも「いろいろな模様が付いている。こんな形に作ることができてすごい」と驚いていた。

 大江会長は「美々ちゃんが何なのか分からないのが魅力。見学した人は自分なりの仮説を立ててほしい」と話している。

 公開期間中の展示時間は午前9時から午後5時。入場無料。

こんな記事も読まれています

ニュースカレンダー

紙面ビューアー