安平町出身の大橋玲奈さん(21)=東京女子体育大学3年=が、10月17~20日に中国・紹興で開かれたカヌーマラソンアジア選手権女子カナディアンの2種目で堂々の3位入賞を果たした。関係者によると、道内の女子選手がカヌー競技の国際大会でメダルを獲得したのは初めての快挙。「出るだけが目標だった自分にとって、メダルを取れたのはうれしいことです」と喜びを語った。
2019世界カヌーマラソン選手権を兼ねた国際大会。大橋さんは昨年11月に岐阜県で開かれた全日本長良川長距離選手権大会の女子10キロで3位となり、初の世界選手権日本代表になっていた。
コースの一部にカヌーを担いで走る陸上の要素も組み込まれた競技。大橋さんは3・6キロで世界選手権の11位(タイムは21分30秒11)、14・5キロで12位(同1時間28分54秒)だったが、アジア選手権ではいずれも3位となる成績を残した。
「世界のレベルも分からなかったし、コースも複雑で間違えずに完走できるかどうか。自分のことで精いっぱいだった」と大橋さん。レースが終わってタイムが出た後でさえ、「信じられなかった」と言う。ただ、上位選手の漕ぐこつを実際の目で見るなど世界のレベルを肌で感じることができ、「良い経験になった。行けてよかった」と胸を張った。
日本の女子カナディアンは競技人口も少なく、専門の指導者もほとんどいないのが実情。普段は短距離の練習が中心で、長距離に打ち込めるのは限られた時間しかないことから、今後も短距離と長距離を掛け持ちしながら競技を続けていく考えだ。「今回、海外で漕ぎのポイントを見てきたので、それを生かしてスプリントでも通用する選手になりたい。来年の世界選手権にもチャンスがあれば出たいですね」と意欲を見せていた。