白老町議会が11日に開いた改選後初の議会で議長に選任された松田謙吾氏(77)=無所属=と、副議長に選ばれた氏家裕治氏(59)=公明=。人口減少と高齢化が急速に進む中で、行政チェックや政策提案でまちの再生を図る議会の機能、役割は重要性を増している。今後の議会運営にどう臨むか、新しい正・副議長に聞いた。
―就任の抱負を。
松田議長「私が町議に初当選した40年前と現在を比較すると、白老の状況はずいぶんと変わったと思う。高度成長で人口が増え続けた頃、誰もが未来への夢と希望にあふれていたが、今は違う。人口は減り続け、町財政も依然として厳しく、少子高齢化も進んでいる。高度成長期に相次いで建設した公共施設は老朽化し、今後、財政負担の大きい施設更新などが待っている。課題は山積みだが、来年春にオープンする民族共生象徴空間(ウポポイ)は、白老を活性化させる上で大きなチャンスだ。行政、議会、町民が手を携えてまちの再生に取り組みたい」
氏家副議長「地域活性化を図っていくには、やはりウポポイの開業やJR白老駅への特急列車停止といった好機を生かした政策が求められる。ウポポイに訪れる観光客に白老町の各所を巡ってもらう周遊の仕組みづくりや、地域オリジナルの魅力ある商品開発も大切だ。それを推進する行政の下支えが欠かせず、政策提案を含め、議会として何をすべきか考えていかなければならない。旅行スタイルがツアーなど集団から少人数へと変化している中、そうした旅行者の取り込みに向け、さまざまな手段で白老をPRすることも重要だ。若者が未来に希望を持てるようなまちを目指し、議会が果たすべき役割にしっかりと臨みたい」
―議会運営にどう取り組むか。
松田議長「白老再生に向けては、これからが本当に勝負どころだ。ウポポイもそうだが、白老駅への特急停車のインパクトは大きい。それをきちんと生かした政策を進めるべきだ。まちづくりにおいては、財政が厳しいのであれば、町民の力も借りて、金を掛けないで実現する方法もあるはず。行政に対し議会としてそんな提案もしていきたい。今回の町議選を経て新人4人が新しく仲間に加わった。新人議員の力も引き出し、住んで良かったと町民に思ってもらえるような白老を目指して活動に当たりたい。議会運営のモットーは融和。議員がまとまって、今後のまちづくりの議論を進めたい」
氏家副議長「議会の各常任委員会が向こう1年間の目標を立て、町への政策提案などしっかりと形を残すことが大切だ。年間計画を定め、実現のために何をしなければならないか、議員が真剣になって考え、取り組んでいかなければならない。また、議会は町民の声を吸い上げ、それを行政にぶつけ、政策に反映させる役割も十分に果たさなければいけない。そのために町民の声を聞いたり、町民と一緒にまちづくりを考えたりする機会を増やすなど、いろんな方策を模索したい。議員がまちづくりの夢を語ったり、まちの現状を伝えたりする場もあっていい。松田議長と共に『行動する議会』に挑みたいと考えている」