千歳市は視覚障害者を誘導するゴム製マットを市総合福祉センター4階の床に設置した。従来の点字ブロックと異なり凹凸がなく、車椅子やベビーカーなどにも優しい点が特徴。要望していた当事者団体は歓迎している。
マットは30センチ四方の黄色。4階のエレベーター前から左右にある2部屋とトイレに向かって通路に計116枚敷き詰めた。同センターでは2013年から、マットの製造会社が同様のサンプル品を1階に敷いている。今回は初めて市独自で購入し、道の交付金と合わせた約120万円を充てた。道内では福祉関連施設の他、図書館やコミュニティーセンターなどでも導入されている。
使い方は点字ブロックと同じく白杖の先端を当てて使う。車椅子やベビーカーのみならず、足の不自由な人もつまずいて転倒する恐れの少ない製品だ。
4階では千歳視覚障害者福祉協会(菊池悦子会長)が会合や催しに利用する他、視覚障害者の卓球全道大会が毎年8月に開催されている。多くの当事者が往来するため、同協会が導入を市に要望していた。サンプル品の敷設から5年が過ぎ、市障がい者支援課は「市内の視覚障害者から一定の認知度を得たと思う」と判断理由を説明する。今後の設置計画は未定だ。
同協会の菊池会長は「設置はとてもありがたい」と喜び、「私たちだけでなく、みんなに優しいマット。いずれはまちにもっと広がってほしい」と願う。