千歳市消防本部はこのほど、地震と火災を想定した消防訓練を新千歳空港国際線ターミナルビルで実施した。8月に供用が始まった増築部分で空港の自衛消防隊や従業員と展開。避難誘導や負傷者の救助といった災害時の一連の手順を改めて確認した。
ビルの延べ床面積が約2倍に拡大し、増えていく国際線旅客の安全確保が目的。31日までの秋の市民火災予防運動にちなみ2年ぶりに行われた。空港ビル会社や警備会社などで構成する自衛消防隊と空港従業員約260人、同本部の職員約20人が参加した。
訓練は震度5強の地震を発端に3階の従業員休憩室から出火し、火元の部屋で2人のけが人が出たと想定した。
緊急地震速報の館内放送を合図に、参加者全員が頭部を覆って3階の出発ロビーでしゃがみ、火災発生の一報を受けて案内スタッフが客役の従業員を1階へ誘導。スタッフは中国語や韓国語など4言語対応の拡声器を使用した。
自衛消防隊と駆け付けた市の消防隊が負傷者を担架で搬送し、救急隊員に引き継ぎ。最後にはしご車からビルに放水した。