障害のある当事者の話を聞き、理解を深める「あすチャレ!アカデミーinちとせ」が26日、北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)で開かれた。日本パラ陸上競技連盟の永尾由美さんが、障害の特性に応じた配慮の在り方について当事者の視点から語った。
「あすチャレ―」は障害について共に考える機会を提供する日本財団パラリンピックサポートセンターの研修プログラム。千歳では「みんなをつなげる会~すべての人が心のかよう社会を!」と市と同センターが主催した。約40人が出席。
永尾さんは幼少期のけがで脊髄を損傷し、車いす生活になった。ソウルパラリンピックに陸上競技選手として出場し、金メダルを獲得。引退後は講演などで障害への理解を広める活動に取り組む。
講演で永尾さんは「パラリンピックは社会を変えると言われています」と強調。共生社会の実現を目指す障害者スポーツの祭典を通して「障害者は『弱い人』『大変な人』との固定観念を持つ人もいる。取り払ってほしい」と思いを語った。
視覚障害者をサポートする際のエチケットにも触れた。「何かお手伝いできることはありますか」と最初に声を掛け、椅子へ案内する時は背もたれに手を触れさせる―など、聴覚や視覚、肢体といった障害別の応対方法を参加者が学ぶ時間もあった。