厚真で福祉機器対処方法研修会 災害時の課題学ぶ

  • ニュース, 白老・胆振東部・日高
  • 2019年10月22日
非常用階段避難車に乗って機能などを体感する参加者

  福祉用具の正しい知識や適切な選定、使用方法について指導、提供する北海道プラネット(福祉用具研究ネットワーク北海道)主催「災害時の福祉機器対処方法研修会」が20日、厚真町総合福祉センターで開かれた。道内から介護施設関係者ら40人ほどが集まり、福祉用具の専門家から災害時における現状や課題について学んだ。

   全国福祉用具相談・研修機関協議会(東京)の寺光鉄雄事務局長は、介護施設などにおける災害時の現状と課題について解説。「災害状況においてどんな物が必要なのか調査はしているが、日本ではまだ研究が進んでいない。緩降機や避難はしごは健常者にとって有効だが、車いす利用者や寝たきりの患者など災害弱者にとって決して有効ではない」と話し、「避難安全のバリアフリーデザインにも目を向け、その人の状況に合った避難方法、避難器具の法整備は災害国日本にとって急務」などと説いた。

   また、株式会社サンワ(埼玉)の美澤暁彦社長も東日本大震災において犠牲者の66%が60歳以上だったことを紹介しながら、「健常者と障害を持った人、高齢者を同じ法律の下に置いておくのは難しい」と断言。現在導入を進めている非常用階段避難車について説明し、参加者に対してデモンストレーションを行い、その機能性も体感してもらった。

   このほか、昨年9月の胆振東部地震で大きな被害を受けた厚真、安平、むかわ3町の社会福祉協議会や施設関係者らが実際に災害が起きて困ったことなどについて提起した。

過去30日間の紙面が閲覧可能です。