防げヒメマス密漁 関係機関、訓練で連携確認 支笏湖

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  • 2019年10月12日

 特産のヒメマス「支笏湖チップ」を密漁から守るため、千歳の地元関係者や行政でつくる支笏湖ヒメマス釣魚対策協議会が9日、関係機関の合同訓練を同湖で繰り広げた。この種の演習は19年ぶりとなり、密漁の発見から逮捕までの対応方法や連絡体制を再確認した。

 今漁期(6~8月)の釣果は19万匹と過去最多の豊漁だった。この後、9月には密漁の疑われる通報があったが検挙に至らず、2000年に実施して以来の訓練は世代交代が進んだ同協議会メンバーの対応力を改めて高めようと企画。支笏湖漁協、市、石狩振興局など7機関の15人が参加した。

 訓練は漁期終了後に一般の観光客から市に密漁者とみられるカヌーの目撃情報が届く想定で行った。連絡を受けた漁協が監視船を出して記録と情報収集に当たり、密漁と判断して駐在所へ通報。幌美内の湖岸で警察官が密漁者役を検挙するまでの流れを確かめた。

 訓練後に漁協で行った会議では各機関で受け付けた通報を漁協に集約することで一致。警察からは詳しい状況や上陸予想箇所の報告が漁協に要請された。刺し網やはえ縄、無許可動力船を発見した場合の初動体制も話し合った。

 支笏湖でヒメマスを密漁した場合は、漁業法違反(漁業権侵害)と道内水面漁業調整規則違反に該当する。03年には無許可ではえ縄を使い、ヒメマスを釣った疑いで道内の男3人が逮捕された。

 今回の訓練に臨んだ市観光事業課の担当者は「密漁を発見した際に各機関の動きや流れを改めて確認できた。今後も監視を強化し、訓練を継続したい」と総括した。市や漁協は禁漁期間中も陸上と湖上から密漁がないか監視活動を継続している。

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