千歳を拠点とする空手の極真会館総本部札幌道場千歳分道場で、大人になってから空手に打ち込み始めた男性2人が第21回全東北空手道選手権大会(9月8日、山形県)組み手の部初出場で各階級の準優勝を果たした。日々の多忙な仕事と稽古を両立して鍛錬に励んでいる。
市立千歳市民病院に勤務する薬剤師の林昌広さん(56)=壮年男子50歳以上=と東千歳駐屯地に勤務する自衛官の駒澤剛さん(43)=同35~49歳70キロ以上=。両部門とも出場者8人中を勝ち抜き、決勝進出を果たした。
空手の観戦ファンだった林さんは45歳のとき、同道場の体験会で魅力に引き込まれて入門した。今回の決勝で体重90キロの大柄な相手と激突。前蹴りをさばき切れなかった課題を受け止め、「まだまだ稽古が必要」と振り返る。「同年代の人が頑張る姿を見て、次の上達へつながる場だった」と次の戦いに意欲を高めた。
駒澤さんは36歳のとき、子供と一緒に空手を始めた。今大会の決勝戦では身長と体重で自分を上回る相手に下段蹴りを駆使して攻めたが、プレッシャーに押され気味となった。試合で重心を崩しやすい課題を再認識し、「準優勝のうれしさは半分。手応えを感じられただけに負けて悔しい」と率直だった。
林さんと駒澤さんの努力を見詰めてきた指導者の鈴木健朗ウォールブリッジさんは「相手の呼吸を読むという大事なことはできていたが、詰めが甘かった」と総括し、「これからは自分の試合ペースを貫ければ」とシニア両人の背中を押す。2人は20年4月の大会出場に照準を合わせ稽古を進める。
千歳分道場は会員15人。毎週水曜は千歳勇舞中、金曜は千歳富丘中で午後7時から稽古を行い、見学や体験も随時受け付けている。