市立千歳市民病院は9月27日、火災を想定した消防総合訓練を行った。3階東病棟と院内保育所を対象に、それぞれ避難や初期消火などを展開。命を守る現場の病院職員らが、緊張感をもって防火意識を高めた。
病院は年2回、初期消火や患者誘導などの消防総合訓練を行っている。今回の想定は夜間の病棟、院内保育所でそれぞれ火災が発生した内容。いずれも限られた人数で安全な避難や、火災の拡大防止について学んだ。
このうち病棟訓練には職員約30人が参加。職員5人は、特殊メークで臨場感を出し、自力歩行ができなかったり、点滴をしていて介助が必要だったりの入院患者役となり、演習の雰囲気を引き締めた。
想定開始とともに、職員は各病室を回りながら「慌てず落ち着いて準備して下さい」などと呼び掛け。入院患者役に「痛みは大丈夫ですか」などと冷静に声を掛け、ベッドで身動きの取れない患者役などを避難させた。
院内保育所の訓練は保育士5人が0~3歳児23人を避難させた。火災報知器も実際に鳴らし、泣き出す園児もいる中、保育士は「お口に手を当てて」などと優しく声を掛け、園児たちは指示通り園庭に避難した。
山田喜一事務局長は「真剣な訓練ができた」と強調し「どこで火災が発生したか瞬時に、的確に把握しながら誘導することが大事」などと気持ちを新たにしていた。