来年4月に白老町で開業する民族共生象徴空間(ウポポイ)の入場料や営業日などが正式に決まった。ウポポイの管理運営に当たる公益社団法人アイヌ民族文化財団(札幌)が管理業務規定を策定し、国土交通、文部科学両省が認可した。しかし、大人で1000円超えという入場料に対し、地元の白老町民から「少し高いのではないか」との声も聞かれる。
入場料は国立アイヌ民族博物館と国立民族共生公園の共通券で、大人1200円(団体960円)、高校生600円(同480円)、中学生以下は当面無料とした。全国の国立博物館、国立公園の料金水準を踏まえつつ、古式舞踊の紹介など豊富なアイヌ文化プログラムの提供も考慮して決めた。
別途料金が必要な一部体験メニューなども設定。収入は施設管理などに充てる。
営業日は、毎週月曜日(月曜が祝日の場合は営業し、翌日以降を休館日)と年末年始を除く毎日。午前9時に開館し、夏場や土日祝日は最大で午後8時まで営業するとした。
民族共生象徴空間は、アイヌ文化復興拠点として政府が整備を進めており、アイヌ語で大勢で歌うことを意味する「ウポポイ」の愛称が付いた。アイヌの歴史を紹介する博物館やアイヌ文化の体験施設を設け、年間来場者100万人を目指している。
一方、入場料について地元町民から「少し高い気がする」といった声も出ている。町内在住の会社員の男性(43)は「大人で1000円以上も掛かるなんて。夫婦で2400円。それに高校生の子ども1人が一緒に行けば、3000円にもなってしまう。気軽に何度も足を運ぶことなどできない」と顔をしかめた。集客に向けては料金体系が課題となる可能性もある。
白老町は町議会や白老アイヌ協会、町商工会などとの連名で7月、民族共生公園エリアの入場料の町民無償化や負担軽減を求めたが、今回の管理業務規定の中には示されていない。入場料の減免措置については、業務細則などで定めるとしており、町は「要望が反映されることを期待したい」としている。