「目に見える復旧・復興を」 鈴木知事会見で決意表明

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  • 2019年9月7日
胆振東部地震から1年を迎え、早期復旧・復興への決意を改めて表明した鈴木知事=6日午後、道庁

  鈴木直道知事は6日午後に開いた定例会見で、胆振東部地震から1年を迎えたことについて「被災された方々が一日も早く安心して暮らせるよう、被災地域に寄り添った早期の復旧・復興に努めたい」と述べるとともに、「その先の地域創生を目指して、引き続き国や関係機関と緊密に連携しながら、目に見える形での復旧・復興を進めていく」と改めて決意を表明した。

   知事はこの1年間について「国内外の多くの方々からボランティア活動や義援金など、多大なる支援と励ましの言葉を頂いた」と説明。被災地域は「この1年間、これまでに経験したことのない大きな試練の連続だったと思う」とした上で、「住民の努力などにより復旧・復興に向けた取り組みが着実に進められている」と振り返った。

   主な取り組みとして、森林・林業関係に関しては「4月に策定した対応方針に基づき、林地や治山施設の復旧を計画的に進めている。植林や緑化の実証試験も今月から実施となる」と説明。基幹産業の農業については「山崩れにより土砂が流入した農地の復旧工事を、道路や河川の関係部門と調整しながら進めている。来年春からの営農再開を目指す」と語った。

   一方で被災地域では「今もなお多くの方々が仮設住宅などで不安を抱えながら生活している」ことも挙げ、「復旧関連工事により、大型車両の騒音や振動の発生など、新たな課題も生じている」と指摘。道として「こうした不安や課題を一つ一つ受け止め、解決していく」と強調した。

   また、知事は44人が亡くなり、ブラックアウト(道内全域停電)も発生した「このたびの災害を教訓として、次の世代へ語り継ぎ、誰もが安全で安心な暮らしを送ることができるよう、全力で取り組んでいきたい」との姿勢を示した。

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