むかわ 震災1年、防災意識向上へ 町民向け講習会

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  • 2019年9月7日
「自らの行動が自分や家族、地域を守る」と講演する室蘭気象台の橋本台長

  胆振東部地震発生から1年を迎えた6日、むかわ町では町民向けの防災講演会(町主催)が開かれたほか、高校生を勇気づけようと歌手がライブを開き、エールを送った。

   むかわ町美幸の道の駅「むかわ四季の館」では防災講演会が開かれ、室蘭地方気象台の橋本勲(いさお)台長を講師に招き、町民約30人が地震や津波の危険性を学んだ。橋本台長は「海底下のプレートは毎年動いている。胆振東部地震クラスの地震は必ず起きる」と日頃から備える重要性を指摘した。

   胆振東部地震の発生から1年を迎え、町民が地震を振り返りながら、今後の備えを強化するきっかけを作るために企画した。

   橋本台長は今後30年間で震度6弱以上の地震が起きる確立として、むかわ町35%、厚真16%、安平町6%などと紹介。むかわ町の確立が高い理由として、海沿いの地震が起きやすい点を挙げた。

   むかわ町では津波の危険があることも解説。津波は人が全速力で走るスピードよりも速いことや繰り返し襲ってくること、波の高さが1メートルあれば人は簡単に流されることなどを説明し、地震後は迅速に高台などの避難場所に逃げることを強調した。

   橋本台長は「緊急地震速報は地震発生で自動的に流れる仕組み。そもそも地震の事前予知は不可能」と話し、避難用品の備えや避難場所の確認、耐震や家具の固定などの事前準備を再度確認するよう呼び掛けた。

   胆振東部地震ではSNS(インターネット交流サイト)で根拠のない情報やデマが広まったことを問題視。SNS情報は発信元の確認など「十分な注意が必要」と注意喚起した。

   竹中喜之町長は「(町民が)いざという時の事前防災をより身近に捉えてもらえれば」と話した。

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