避難所開設など手順確認 苫小牧市の総合防災訓練に400人 エリアメール送信 胆振東部地震教訓に

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  • 2019年9月2日
苫小牧東小の避難所で炊き出しのカレーを食べる家族ら

  苫小牧市は1日、苫小牧東小学校などで総合防災訓練を実施した。震度6強の直下型地震があり、市民が避難所に駆け付ける想定。警察や消防、陸上自衛隊など関係機関、地域住民を含め約400人が参加、防災意識を新たにした。

   総合防災訓練は、災害時の対応手順確認などを目的に隔年で実施。昨年9月の胆振東部地震後、初の大規模訓練となった。今回は初の試みとして、実際にスマートフォンや携帯電話で受信できるエリアメール(速報メール)を訓練送信した。

   避難所の開設訓練が行われた苫小牧東小学校には、防災ラジオや速報メールで緊急情報が流されると、地域住民ら約120人が続々と集結。市職員や町内会役員は運営委員会を立ち上げ、「洗濯はできるのか」「ペットは一緒に行っていいのか」といった問い合わせへの対応を協議した。陸自によるカレーの炊き出しも行われた。

   会場には防災用品、福祉トイレカーなどを展示。ハイブリッドカーによる携帯電話の充電実演もあった。家族4人で避難訓練に参加した市内汐見町の主婦柴田絵里香さん(33)は「訓練を重ねる中で、少しでも家族の不安解消につながれば」と話した。

   市役所本庁舎の2階防災フロアには、岩倉博文市長を本部長とする災害対策本部を設置。初動から発生3日後までの対応を議論した。会議では「ライフライン情報の集約は班を決めて行い、市のホームページなどで速やかに公表したい」「住民に正しい状況を伝えるため、報道機関への情報提供は重要」などの意見が出ていた。

   このほか、出光カルチャーパーク(市民文化公園)では、地震に伴う交通事故で車両に閉じ込められた人を救助する訓練も展開。市消防署の亀尾淳署長(54)は「今後も自然災害を想定した訓練は地道に継続していく」と語った。

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