大町の活性化に一役 高齢者が語り合えるような場に 「地栄の和」開店から10年

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  • 2025年2月13日

 白老町大町3の飲食店「地栄の和」(前田弘幹代表)が現在の場所に店舗を構えて10年目を迎えた。「地域が栄えるためには人の和が必要」と名付けた店は、コロナ禍も飲食店仲間の協力で乗り切り、大町の地域活性化に一役買っている。

 町石山で精肉店と白老牛レストランを営む前田さんは2011年12月、JR白老駅前の寂れた中心街を活気づけたいと大町に最初の焼き鳥店を出店した。その後、店舗を人に貸し出すなどして15年12月、現在地に居酒屋と肉の定食を提供する新店舗をオープンした。

 町民有志で「地栄の和会」をつくり、当初は20年開業予定だった民族共生象徴空間(ウポポイ)のPRのため、アイヌ文様をあしらったTシャツの販売も手掛けた。

 コロナ禍の20年には、同じ大町のカフェラナピリカ(佐々木美保店主)や地域食堂グランマ(林啓介店主)と合同でランチの出前サービスに乗り出した。しらおい牛肉まつりが中止を余儀なくされると、大町小町ベコまつり実行委員会を組織して白老牛を味わう新たなイベントを開催した。

 前田さんは「大町の飲食店街のともしびを絶やしたくなかった。10年前は少なかった飲食店が増えてきてうれしい」と振り返る。訪日客や観光客の来店も増え、地元客に町のお薦めスポットを尋ねるなど交流の場にもなっているという。 営業時間は、昼が午前11半~午後1時半、夜が同6時~同10時。昼のメニューは豚ロースカツ丼、豚生姜焼き丼、親子丼、ビーフカレー、ビフカツ定食など、1000円前後の週替わり定食3品。夜は肉メニューの居酒屋になる。

 調理を担う大友久美店長(53)は「一日一日を集中してやってきた積み重ね。これからも気軽に立ち寄れる店にしたい」と語る。前田代表は「高齢者が知り合いと語り合えるような場として午後2時から夕方の開店も考えている。地域活性化だけでなく孤立防止にも役立てれば」と話している。

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