今月、苫小牧市が会場となった高松宮賜杯第68回全日本軟式野球2部南北海道大会(8日まで、道軟式野球連盟が主催、とましんスタジアムなど)で、たいせつ総合サービス(株)=苫小牧=が笑蔵函館=函館=を13―6の八回コールドで下して初優勝した。今季の第62回大鷲旗争奪苫小牧朝野球にも出場中の複数チームからメンバーが集まり、快進撃した。
南北海道大会には14チームが出場。地元勢として、たいせつは苫小牧支部予選優勝で代表となっていた。トーナメント2回戦からの登場で、カツウラ建機(株)=札幌=を3―0の完封で退け、準決勝では岩見沢シャークスを9―1の五回コールドで圧倒して決勝に進んでいた。
決勝の相手は、初日から打線が活発で3連勝の勢いに乗っていた笑蔵函館。2日間の短期決戦で互いに疲れもあるだけに、たいせつの武者正美監督(41)には予感があったそうで「(決勝は)ノーガードの殴り合いのような打ち合いになる。でもうちの打線には自信をもって戦ってもらいたかった」と振り返る。
月曜の決勝とあって、勤務の都合上、出場できなかった主力も多かったが、監督の勘は的中し、一回から打線が長打を連発し、先行。笑蔵も反撃し、四回のビッグイニングでいったんは逆転を許したものの、その裏に敵失から始まって長打攻勢し、5点を奪って再び先行すると、中終盤の加点も効いて押し切った。
今回の大会に挑んだ、たいせつメンバーは20~40代前半でそろえる脂の乗った顔触れ。苫小牧随一の大鷲旗朝野球にも登録している下川原建設、Feliz、苫小牧ヤンキース、オールドボーイに所属する中心選手有志が「昼間の軟式野球に挑戦しよう」との武者監督の呼び掛けに呼応して2年前に連盟C球登録チームを結成していた。
決勝では上位から下位までが12安打し、内8本が長打と、実力を存分に発揮した。決勝勝ち投手の梅田拓也(38)は「決勝は監督の言った通りの打ち合いだったけれど、守備と打撃を信じて投げていた」と仲間への信頼感をにじませた。
名を託すスポンサーとしてチームを支援してきた、たいせつ総合サービスの大野順治会長は「苫小牧を活性化するにはスポーツチームが元気なことが一番」と優勝を大喜びし、「全国大会でも好成績を上げてほしい」と期待する。
チームは十勝支部で9月7日開幕の同部の全国大会に挑む。武者監督は「勝ち取った代表権ですから、一つでも多く勝って苫小牧の野球を盛り上げたいです」と語った。