3日未明から4日朝にかけて、苫小牧市拓勇地区でヒグマの目撃情報が3件相次ぎ、市は4日午前、猟友会の協力も得て約10人体制で周辺をパトロールした。市環境生活課は同一個体の可能性もあるとみて、ヒグマとヒグマの痕跡を双眼鏡で探しながら、警戒に当たった。苫小牧署もパトロールを実施したが、痕跡は見つかっていない。
4日午前7時20分ごろ、同市新開町のコンビニエンスストア店員から、「客が明野川にクマがいるのを見たと言っていた」と同署に通報があった。詳しい日時や場所は不明だが、3日未明にヒグマが目撃された国道36号の近くとみられる。 同署によると、3日午前0時45分ごろ、同市拓勇東町2の沼ノ端北7号公園に侵入するヒグマを付近住民が目撃。同1時15分ごろには、公園から900メートル離れた拓勇西町の国道36号を横断しようとするヒグマが目撃された。いずれも体長は約1・5~2メートル。公園(2500平方メートル)内南側の鉄棒のそばに約15センチの足跡が残されていた。
同課は「住宅地で足跡が見つかったのは、これまでにない事態」と危機感を強め、公園に看板を設置するとともに、3日午前10時、午後5時15分、同7時半の3回、防災無線でヒグマの出没情報を住民に知らせた。また市ヒグマ防除隊と合同で登校時間帯から午後8時まで、広報車による巡回を実施した。公園から西、北東にそれぞれ約650メートルの拓進小学校、拓勇小学校では学年ごとの下校を促すとともに、教職員が見守りを実施した。
市は今週いっぱいはパトロールを続け、同署もパトカーでの巡回を当面継続する。通報はいずれも日没後から早朝で、同課の千葉正樹主査は「早朝と夕方以降の外出は控えてほしい」と呼び掛けている。