ホッカイドウ競馬最多2301勝 ファンと別れ、ベテラン宮崎騎手 エンジョイ競馬 <27>

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  • 2025年6月13日
引退セレモニーで、北海道調騎会会長の角川秀樹調教師(手前)から花束を贈られる宮崎騎手
引退セレモニーで、北海道調騎会会長の角川秀樹調教師(手前)から花束を贈られる宮崎騎手
引退セレモニーで騎手仲間に胴上げされる宮崎騎手
引退セレモニーで騎手仲間に胴上げされる宮崎騎手

 ホッカイドウ競馬のベテラン宮崎光行騎手(58)が現役を引退した。昨シーズンまで通算2301勝を挙げて現役最多勝ジョッキーとして活躍してきたが、長年の騎手生活による腰痛と股関節痛などで、今季は4月の開幕から騎乗を控えていた。完全回復は難しく復帰を断念した。6月3日で騎手免許を返上し、4日に門別競馬場で行われた引退セレモニーで、ファンに引退を報告した。

 4日の門別全レース終了後に行われた引退セレモニー。宮崎騎手は後輩騎手らに抱え上げられ宙を舞った。ナイター開催終了後で時刻は午後9時を過ぎていたが、ファンや関係者、そして調教師や騎手らは宮崎騎手の写真と2301勝とプリントされたグリーンのTシャツを着て参加した。札幌から駆け付けた家族の姿もあった。

 1984(昭和59)年9月30日にデビューした。ホッカイドウ競馬で昭和デビューは井上俊彦騎手(60)と坂下秀樹騎手(56)の3人。昭和―平成―令和の三つの元号をまたいでの、通算41年間の騎手生活だった。2301勝にはJRAでの10勝も含まれ、初勝利となった98年8月15日札幌8Rでは、16頭立て15番人気、単勝オッズ201・8倍のチェックメイトで1着になり、周囲を驚かせた。

 重賞通算50勝には、ホッカイドウ競馬でデビューし全国でも活躍したハッピースプリントに騎乗しての勝利もある。同馬とのコンビでは全日本2歳優駿(神奈川・川崎競馬場)、浦和記念(埼玉・浦和競馬場)、北海道2歳優駿(門別競馬場)の、JRAと地方競馬から実績馬が集うダートグレード3競走も制した。

 昨年10月30日の門別11Rトモノシルバーの騎乗(4着)が最後になった。復帰を目指していたが、「まだ乗りたい気持ちもありましたが、自分の思うパフォーマンスができないと判断し、今季開幕前に引退を決めていました」と明かした。通算騎乗数は1万5638戦に上る。

 これまで、ケガとともに減量との闘いもあった。引退セレモニーでは、「全国を巡って、各地のグルメを味わいたい」と希望を述べた。競馬の楽しさを伝え広めてくれてありがとう。お疲れさまでした。(フリーライター・大滝貴由樹)

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